行政書士レイ国際法務事務所

留学する学校の選び方

14/02/27

こんにちは。行政書士の東麻未(ひがしあさみ)です。

先日、ビザ(在留資格)の変更についてこんなご相談がありました。
夫の連れ子(外国人)が日本の専門学校に入学したので、在留資格を家族滞在から留学に変更しようとしたところ、入国管理局から、その学校は「留学」の在留資格を取得できない学校ですと言われ、許可が下りなかった。

どんな学校でも入学すれば在留資格「留学」を取得できるという訳ではないのです。
例えば高校や大学でも、専ら夜間通学や通信により教育を受ける場合は「留学」の在留資格を取得することはできません。また、職業能力開発校は、労働者が職業に必要な技能及びこれに関する知識を習得することを目的とするものであることから、教育機関には当たらないとされ、「留学」の在留資格には該当しません。

また、「留学」の在留資格には該当する学校であっても、将来日本で働きたいという目的で留学する場合にお薦めできない学校もあります。
以前、製菓・製パンの専門学校を卒業して、日本のパン屋さんで働きたいというご相談がありましたが、実務経験のない外国人が日本のパン屋さんで調理人として雇用されて働くという在留資格がありません。ですから、この専門学校を卒業したという資格をもって、すぐに日本で働くことはできないのです。

最近多いのが、日本のアニメや漫画が好きで、漫画の専門学校に留学して卒業し、日本で漫画家として働きたいという外国人留学生です。うまく漫画家としての職があり、雇用されればまだ良いのですが、かなり狭き門です。日本人だったら、アルバイトや他で勤めながら修業をしたりするのかもしれませんが、外国人の場合、単純就労をする在留資格というのがありませんので、それができません。また、大卒であれば、専攻科目と少々違う業務であっても、就労が認められる範囲が広いのですが、専門学校卒業の場合、学んだ科目と関連性のない業務に就くことができません。つまり、漫画を学んだ人が、翻訳・通訳の職について、働きながら漫画の修業するということができないのです。

学校側は、在留資格が取得できなかった場合は退学という規定はあっても、入学希望者各個人について調べて、在留資格を取得できない学校だからとか、将来、日本で働くことはできないからという理由で、入学を拒否するということはしません。入学金を払ってから在留資格が取得できなかったとか、卒業してから希望と違ったとならないよう、自分自身で慎重に選択することが必要です。