デザイナーを海外から呼びよせたい
こんにちは。行政書士の東麻未(ひがしあさみ)です。
レイ国際法務事務所がある青山外苑前は、ファッションブランドや雑貨、インテリアショップなどが立ち並ぶ地域ですが、デザイナーを海外から呼びたいという場合、どのような点に注意が必要でしょうか。
【ケース】
★中国籍のAさん。
★Aさんは、フランスやイタリアの有名ブランドのファッションショー、商品のパッケージ開発、新商品発表会会場の内装デザイン及び看板のデザインを手掛けている『空間デザインクリエイター』
★Aさんは、日本の広告会社で、新商品の発表会場の内装や、顧客店舗を改装して集客力を上げる事業の責任者として、正社員で勤務することが内定し、会社が代理人となり、在留資格認定証明書交付申請をしたが、不交付。
★不交付理由は、「申請人が同社で行うことや、日本で行う業務と申請人の経歴の関連性が不明である。」ということ。
Aさんのように、人文科学分野の知識や外国人ならではの思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動は、在留資格「人文知識・国際業務」が規定されています。特に「外国人ならではの思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」は、国際業務カテゴリーといわれ、具体的には、翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これに類似する業務をいうとされています。
1.「空間デザインクリエイター」について
「空間デザイン」そのものは、国際業務カテゴリーにおける上記の具体例に明記されていませんが、Aさんが実際に従事する具体的業務内容は、「新商品の発表会場の内装や、顧客店舗を改装して集客力を上げる業務」ですので、「室内装飾に係るデザイン」業務、「商品開発」業務を行うものといえます。
Aさんは、「私は単なるインテリアデザイナーや、商品開発をするだけではなく、もっと時代の先端をいっている。私は、「空間デザインクリエイター」であり、単に「室内装飾に係るデザイン」業務、「商品開発」業務を行うだけではない。」と主張されるかもしれませんが、国際業務カテゴリーは、業務内容要件に明記されている業務に当てはまることを主張立証することで、許可されやすくなります。
2.「外国人ならではの思考若しくは感受性」について
このケースの場合、「新商品の発表会場の内装」を行うのが、なぜAさんでなければならないかを具体的かつ詳細に立証する必要があります。
例えば、外国製の製品を日本において新商品として発表する場合、日本人では出せないような「外国の雰囲気がする」あるいは「あたかも異国にいるような雰囲気」を必要とする内装が必要であるということを、デザイン画の提示で立証すること等が考えられます。
また、このケースのように不交付となって再申請をする場合、当初の申請と異なる事項を申告することは虚偽の申請を疑われかねません。当初の申請と異なる事実を申告する場合には、新たに申告する事実が虚偽のものではないことをきちんと主張立証しましょう。